宮崎県南部、串間市の都井岬から北上しながら下見している道ですが、幸島-南郷駅区間は幸島周辺の美しい海の風景から、南郷に近づくほどに人の営みを感じる風景へと変わる変化が楽しめる道。
人の生活圏でない場所と、生活圏を交互に歩くのは個人的に長い距離を歩く楽しみと言いますか、興味深いことも多く、宮崎県を縦に歩く海岸線の道だけでも地域ごとに異なる生活習慣を垣間みたり、人の温かさに触れたり、変わる自然の景観に感動したりと山とは異なる楽しみがあります。
都井岬から幸島までの海沿いの道では、集落が少なく広い海や島を見ながら歩きますが、幸島から日南市南郷へ向かう道では徐々に生活圏も増えて、港町の風景・海沿いの暮らしや楽しみを垣間みながら歩くことができます。
今回紹介する区間は、以下のMAPの区間。
歩く例として以下のような感じかなと思います。
1.都井岬から南郷まで一気に
・都井岬まで公共交通機関または送ってもらうなどで移動、一泊
・翌日早朝から都井岬を出発し、JR南郷駅まで歩く
・JRに乗って移動(帰宅)、または宿泊後さらに北上
2.幸島-南郷駅間を往復
・幸島に駐車、または南郷駅までJRで移動
・幸島-南郷間を往復(片道約15km)
※南郷駅周辺から幸島までは宮崎交通社のバスで戻ることも可能です
・歩道の幅が少ないため、交通事故に注意が必要です。常にドライバーの方に配慮しながら歩行しましょう。
景観が良い道なだけに、ドライバーの方がよそ見をしてしまうということがあっても、事故に遭わないよう注意しましょう。
・トイレが少ないので、事前にトイレの箇所をチェックしておきましょう。
僕らは下見の際は幸島に車で移動して駐車し、幸島から歩いて南郷駅までを北上しました。

朝の幸島

幸島のビーチを眼下に眺めながら
広く美しい幸島のビーチを眼下に眺めながら歩きますが、歩道がほぼ存在しない区間も多いため車両には十分に注意して歩きます。
そして道中で眺める海の美しさや、地形の面白さに感動しながら北上。

夫婦浦付近にて

夫婦浦
藤・舳・夫婦浦と海沿いに位置する集落を途中で歩きながら、常に眼下には美しい海。
波音を常に聞きながら歩く心地よさを感じながら北上しますが、途中では漁業に営む方々の姿やダイビングスクールなど、宮崎県南部の美しい景観を楽しみながら、海と共に暮らす生活を垣間見ることができます。
・
そして”道の駅なんごう”が近づいてきますと人間魚雷回天の訓練地など、宮崎の方が授業でも習うであろう戦時中の跡を通ります。
青く透き通った日南の海で、特攻のために訓練をしていたと思うと胸が痛むような感覚を覚えますが、宮崎県の海沿いの道にはその他にも特攻基地跡など、戦時中の歴史を知る場所が存在します。
余談ですが、僕は福岡県北九州市出身で、やはり幼少期から第二次世界大戦の頃の話は授業や家庭でも聞かされながら育ったことを思い出しますが、宮崎にも同様にこのような跡があることを知らなかったため、少し調べてみようと思っています。

魚雷艇基地跡

人間魚雷回天訓練之地
今では車があまり通らない道に位置する人間魚雷回天訓練之地。
非常に美しく手入れされており、今でも当時を知る方がご存命なのかなと思ったりしながら通った場所です。
・
そしてその後に道の駅なんごうへ立ち寄り、贄波・外浦・南郷町と生活圏へと向かいます。
そうした道を歩きながら、地域で畑の手入れをされている方に話を聞かせていただいたり、港に浮かぶ船を眺めたり、生活圏を歩く感動や楽しみを満喫しながら北上します。
中でも印象深かったのは、何の実か分からない植物を畑で発見した時のこと。
南国っぽい実だなと思いつつ、畑を手入れしている方を見つけて「何の実ですか?」と伺うとパパイヤの木だそう。
庭でパパイヤを育てるということに少し驚き、調理方法などを伺ったりしていましたが、その御方は漬物にして食べるとのことで「持っていっていいよ!」と言われたものの、漬物の仕方が分からず…
そんなことを道中に教わったり出来るのも、個人的には本当に貴重で感動の時間。
パパイヤの実も許可をいただいて写真を撮らせていただきました。

お庭になっていたパパイヤの実
贄波まで歩くと、いよいよ眼下に眺めていた海が間近になり、波の横を歩くことができるように。
都井岬からずっと、海を見下ろしながら歩いていただけに、海の真横を歩く楽しみを満喫しながら外浦・南郷方面へ北上します。

海を眺めながらブラリ
港では漁船が止まっていたり、海中を眺めながら楽しめる船があったり、職場としての海を間近に眺めるように。
中でも”水中観光船マリンビューワーなんごう”という、水中を眺めながら乗ることが出来る船は、今度乗ってみたいなと思っています。
そしていよいよ生活圏に入り、南郷駅が近づいてきます。

南郷駅周辺
そして町と呼べるような住宅街の中を歩き、南郷駅へ到着。
南郷駅は西武ライオンズカラーに塗られた可愛らしい駅、ちなみに油津駅は広島カープ。
さすが野球のキャンプ地だなと、今更になって感動します。

南郷駅
下見で歩いた際は南郷駅を終着地として幸島まで戻りましたが、栄松ビーチキャンプ場を使って泊まりながら歩くことや、もう少し北上すると猪崎鼻公園キャンプ場などもあるため、テントを担いで泊まりながら歩くにもオススメです。